親が子どもを一人前に育てるのは、
動物の世界で共通している。
だが逆に、
子どもが年老いた親の面倒をみる動物は、
人間しかいないように思う。
たとえば、
足腰が弱った老ライオンに、
子ライオンがせっせと獲物を届ける、
みたいな話は聞いたことも見たこともない。
あらかじめ断わっておくけど、
何もそれが変だと言いたいのではない。
逆に人間を、
「親の面倒を子どもがみる動物」と定義してもいいだろう。
いい感じだね。
でもなぜ、
あまたの動物の中で人間だけが、
子どもが親の面倒をみるのであろうか?
非常にドライな言い方をすれば、
親には子どもを産んだ以上、
育てる責任がある。
種の保存という観点からも、
そこははずせない。
子どもから見た場合、
育ててもらった恩ということになるかもしれないが、
じゃあ人間以外の動物は恩知らずということなのだろうか?
また、
こんな風にも考えられる。
普通一人前になるまで20年そこそこだとして、
親が平均寿命まで生きると仮定すると、
20年をはるかに超える期間、
親の面倒をみなければならない。
世話になる期間より、
世話をする期間が圧倒的に長い。
これはちと変ではないか?
思うに、
人間は長生きになりすぎたのではあるまいか。
またまた釈明するけど、
長生きすることは結構なことです。
でもきっと、
度が過ぎつつあるんじゃないですかな。
少子高齢化がますます進んで、
年金支給開始年齢が80歳ぐらいになったら、
「何で若い世代が年寄りの面倒見なきゃいけんねぇんだよ」って、
本気で言いだす人が出てきそうな、
そんな気がする。
だから今のうちから、
しっかり理論武装しましょ。
なんで子どもは親の面倒をみなければならないのか。
●そしてぼくには、世話になる子どももいない。おーまいがっと。