2013年12月11日水曜日

洋服

フランスで10年修行し、
自分の店をパリに開いた洋服のテーラーさん。

先日のプロフェッショナルは、
久々に、
これぞプロフェッショナルという感じだった。

オーダーメイドの服なんて、
作った経験はないけれど、
服という大きさの物に対して、
ミリ単位で突き詰めて行く姿勢は、
ぼくの仕事にも少しつながるところがあって、
ものすごく興味深かった。

人間、
体型は千差万別。

同じ人だって、
年齢や時期によって、
体型はどんどん変化する。

人体模型のような、
あるいはモデルのような体型の人間なんて、
事実上、
実在しないといっていい。

いびつで不格好な人間を、
機能的に包みながら、
尚かつ格好よく見せる。

一着作り上げるのに、
確か100時間って言ってたな。

だから、
年間に手がけることができるのは、
MAX50着だという。

そりゃ何十万円もするよな。

で。

この番組のキモは、
そこではない。

フランス人の国民性についてだ。

この日本人テーラーは、
パリの専門学校を首席で卒業して、
とある店に勤める。

何年も頑張って、
実力は誰もが認めているのに、
一向にカッターという役に就けない。

思いあまって上司に直訴したところ、
こう言われたそうだ。

「君がカッターになったら客が一人も来なくなる」

これは彼に実力がないという意味ではない。

簡単に言えば人種差別。

この一言で、
彼は街の景色が一変して見えたと語っていた。

どんなに頑張って実力があっても、
アジア人だからというだけの理由でノー。

これは辛い。

で、
彼はすっかりノイローゼになっちゃうんだけど、
8か月たったころ、
超一流の店からカッターとして雇いたいと電話が入る。

なんとこれ、
彼がフランスで通った専門学校の校長が、
毎日のように電話して彼を推薦したからだった。

もちろん、
新しい店でも注がれる目は厳しかったらしいけど、
彼はそれに耐えた。

そして数年。

上司がついに言った。

「わかった。君には教えよう」

なんかすごいね。

で。

彼は言う。

フランス人は一度友だちになると、
ずっと親身でいてくれる。

自分がいい時も、
駄目になっても、
ずっと親身でいてくれる。
とっても深いですね。

なぁーるほど。

フランス人って、
一般に外国人に冷たいって言われるけれど、
実は日本人に似ているのかもね。

つーか。

親友って、
そんなもんだよね。

あと。

仕事の調子がいい時には、
パターンを引いていて、
さっと物差しを投げたところが、
まさに線を引きたいところだとか、
わかる〜って感じ。

一度でいいからオーダーメイドの服を、
作ってみたくなった。

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