2013年12月9日月曜日

劇的

たまたま見た男子ゴルフで、
感動的な場面を見てしまった。

宮里優作33歳。

プロ11年目でいまだ勝利なし。

その宮里が、
今シーズン最後の大舞台日本シリーズで初優勝したのだ。

最終18番ホール。

その時点で2位に3打差。

パー3のショートホールを、

5打以内で上がればOK。
プロであれば、
楽勝のはずなんだけど、
ここが初優勝の難しさ。

緊張のあまりか、
力の入り過ぎか。

第1打はグリーン左に外した。

でも、
ここから4打で入れればいい。

まだまだ余裕。

のはずだった。

ところが。

グリーンわきのラフから打った2打目が、
強く当たりすぎて、
グリーン反対側のラフまで行ってしまった。

ゴルフは極めて精神的なスポーツ。

ここにくると、
あと3打もあるのだから、
という感じではなくなってくる。

もし、
次のショットが、
前と同じように強く当たって、
またもやグリーンオーバーにでもなれば、
一気にわからなくなってくる。

300ヤードのドライバーも、
10センチのパッとも1打は同じ。

ここが難しい。

初優勝目前の宮里の、
悲願の初優勝に向けた最後の試練だった。

その注目の3打目。

冷静に考えれば、
ピンのそばに寄せるだけでよかった。

解説の青木さんも、
狙いすぎるな、
みたいなことを言っている。

なのに緊張MAXの宮里、
マジで狙って打っちゃった。

アチャーと思いきや、
球は何とカップイン。

足を折って泣き崩れる宮里。

宮里藍の兄として注目されながら、
妹の活躍の影で1勝もできず、
もがき苦しんだ11年。

あの瞬間、
すべての呪縛から開放されたかのようだった。

ゴルフの神様が微笑んだ瞬間だった。

遺志

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