我が家は阪急沿線に建っている。
まさに道一本へだてた向かいを、
阪急神戸線が走っている。
先日は母が、
新しいなんとか系の電車が走っとったで、
と教えてくれた。
マルーンカラーの車体は大好きだし、
阪急電車は日本一ハイソだと今でも思っている。
でも、
最寄り駅はJR甲子園口だ。
阪急の西宮北口よりもちょっとだけ近い。
従って、
通勤には当然JRを利用するし、
甲子園口駅は、
まい半生で間違いなく、
一番多く利用した駅だ。
その甲子園口駅が、
駅舎建て替えの真っ最中。
完成予想図はコレ。
何コレっちゅうぐらい、
没個性。
味も素っ気もない。
別に駅舎に個性などいらんけど。
でも、
新しい駅舎が没個性的であればあるほど、
前の古い駅舎が懐かしくなるのも道理。
あーこんなことなら、
取り壊される前の駅舎の写真を撮っておくべきだった。
いつもそう。
当たり前すぎるものほど、
写真など撮らないし、
壊されるとわかっても、
撮ろうとしない。
新しいお札や硬貨が発行されるたびに、
いの一番に手に入れようと走り回り、
いつのまにか、
古い紙幣や硬貨が、
なくなっているのに気づく。
失ってわかる愛着。
でも時すでに遅し。
いつもそう。
半世紀生きて来て、
まだ分かっとらん。