2009年8月3日月曜日

失敗

全英女子オープンの解説をしている戸張捷が、

「ゴルフというスポーツは、失敗からしか学べません」

と言っていた。

言うまでもなく、
これはゴルフに限ったことではない。

スポーツに限らず、
人生は、
もっと言えば、
人類は失敗からしか学べない。

さらにもっとちゃんと言えば、
きっと世の中には、
壮大な数の失敗と、
ごくごくわずかの成功(と呼ぶもの)があって、
すべての失敗から正しく学ぶことができるなら、
人はみな輝かしい人生を送り、
人類はもっと素晴らしい歴史を刻めたはずだ。

つまり、
唯一学べるはずの失敗の多く(きっとほとんど)は、
教訓にされることなく、
時の中に埋もれてきたのだ。



石川遼が今季国内ツアー2勝目を挙げた。
初日から4日目まで首位を譲らぬ完全V。
最終日、
最終ホールまで優勝争いをした、
ベテランのブレンダン・ジョーンズをして、
「日本で一番強い」と言わしめた。

恐るべき17歳の目覚しい成長の裏側に、
先のマスターズや全英オープンの、
苦い失敗があることは間違いない。



若さの魅力の一つは、
恐らく、
失敗をプラスに変える力だ。

失敗を認め是正するのは、
実にパワーのいる作業なのだ。

年寄りにはそのパワーがないが故に、
あれこれ理屈をつけては、
紛れもない失敗を失敗でないことにしてしまったり、
見て見ぬふりしてしまったりする。

多くの失敗が打ち捨てられるのは、
きっとこのせいだ。



人は必ず失敗する。

大事なのは、
その失敗に向き合う勇気であり、
その時、
失敗は失敗ではなくなり、
成功への糧に変わる。


全英女子、
宮里藍は惜しくも3位。
彼女はこの「失敗」から何を学ぶだろう。

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