2009年10月1日木曜日

無料

「タダより高いものはない」とはいうけれど、
高速道路無料化に反対する人が結構いるのには驚く。

「渋滞がひどくなる」という人。
「他の輸送業界が困る」という人。

どれも当事者にとっては切実かもしれないが、
きっとそのほかにも、
「タダは胡散臭い」と直感している人も多いのではないか。

車を手放した身としては、
宅配便の値段が安くなるぐらいしか影響はないので、
正直どっちでもいい。

たぶんその代わりに何かの税金が上がるだろうから、
そういう意味では反対だけど、
車を持っていた時にさんざん無料化を願っていただけに、
さすがにそれは言いにくい。


海外ではほとんどの高速道路がタダなのだから、
日本もそうすべきだという意見は昔からあった。

第一、
日本最初の東名高速が出来たときから、
通行料で建設費が償還できたら無料にするという、
そういう建前だったはずである。


それなのに今なぜ無料化が実現しようとしているのかといえば、
恐らく車の売れ行きが加速度的に悪くなっているからではないか。

若者の車離れは著しいし、
高齢化で免許を手放す人も増えるだろう。

車メーカーにとって、
先行き国内需要が増える見込みは全くないのである。

だからせめて高速無料化で歯止めをかけたい、
そのあたりが本音のように思える。

でなきゃ、
右手で二酸化炭素削減を掲げ、
左手で高速道路無料化を掲げることが矛盾しているくらい、
子どもでも分かる。


面白いことに、
車社会の典型であるアメリカで高速鉄道網計画が進んでいる。
ほかにも中国やインドやブラジルなど、
世界中で鉄道が見直されているのである。

自動車が馬車並みに古臭い移動手段になる日は、
もうそこまで迫っている。

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