「タダより高いものはない」とはいうけれど、
高速道路無料化に反対する人が結構いるのには驚く。
「渋滞がひどくなる」という人。
「他の輸送業界が困る」という人。
どれも当事者にとっては切実かもしれないが、
きっとそのほかにも、
「タダは胡散臭い」と直感している人も多いのではないか。
車を手放した身としては、
宅配便の値段が安くなるぐらいしか影響はないので、
正直どっちでもいい。
たぶんその代わりに何かの税金が上がるだろうから、
そういう意味では反対だけど、
車を持っていた時にさんざん無料化を願っていただけに、
さすがにそれは言いにくい。
海外ではほとんどの高速道路がタダなのだから、
日本もそうすべきだという意見は昔からあった。
第一、
日本最初の東名高速が出来たときから、
通行料で建設費が償還できたら無料にするという、
そういう建前だったはずである。
それなのに今なぜ無料化が実現しようとしているのかといえば、
恐らく車の売れ行きが加速度的に悪くなっているからではないか。
若者の車離れは著しいし、
高齢化で免許を手放す人も増えるだろう。
車メーカーにとって、
先行き国内需要が増える見込みは全くないのである。
だからせめて高速無料化で歯止めをかけたい、
そのあたりが本音のように思える。
でなきゃ、
右手で二酸化炭素削減を掲げ、
左手で高速道路無料化を掲げることが矛盾しているくらい、
子どもでも分かる。
面白いことに、
車社会の典型であるアメリカで高速鉄道網計画が進んでいる。
ほかにも中国やインドやブラジルなど、
世界中で鉄道が見直されているのである。
自動車が馬車並みに古臭い移動手段になる日は、
もうそこまで迫っている。
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