百円ライターのガスがほとんどなくなると、
何度カチカチやっても火がつかなくなる。
それでも他に代わりを持っていないと、
未練がましくカチカチカチカチやるのだが、
するとたまに「ポッ」とほのかに炎がつくことがある。
ところが、
カチカチカチカチ繰り返しているうちに、
条件反射的に次のカチに行ってしまい、
折角ついた炎が消えてしまうことがある。
せこい話だけど、
咄嗟のチャンスを逃したこういう時は、
地団太踏むほど悔しい。
若い時は何も考えなくても毎回「シュボッ」とつく炎だが、
この年になると、
チャンスとは、
そういう風に咄嗟にしか訪れない。
それに対応するには、
カチカチの惰性の中にも、
常に細心の注意を払っている必要がある。
年を重ねると、
確かに根気は続くのだが、
咄嗟の事態に対処しそこねる。
ところで、
百円ライターは日本では使い捨てだけど、
以前見たテレビでは、
フィリピンだったかどこかでは、
ちょっとした細工をしてガスを補充できるようにする商売があるとか。
日本では見たことはないけど、
着火石よりガスが早くなくなることがほとんどだから、
これはいいアイデアだと思った。
既にガスの補充を終え、
そのガスも残り少ないこの身。
石もすり減ってなくなれば、
もうお手上げの瀬戸際だ。
だからこそ、
チャンスは逃せない切実さは日ごとに増しているはずなのだが、
相変わらず咄嗟の炎を見逃してしまう。
それでも懲りず、
今日もガスが空になりかけのライターを、
カチカチやっている。
●天満「じゃず家」セッションに。今日もまた、惰性に流されてしまったようだ。バックの演奏が素晴らしかっただけに、よけいに情けない●そのセッションで、ベーシストであり、セッションのMCでもある渡辺春雄さんが、ぼくが歌い終わったあと、「たはしろさんでした」と咄嗟に言い、動揺したぼくは、躓いて前のテーブルの飲み物をこかしてしまった。セッションでは本名でエントリーしているからだ。でも何か嬉しかった●明日は久しぶりに元町に行こう。
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