フジテレビ系の「不毛地帯」は、
視聴率10%台をうろうろしていて、
決して評判がよいとはいえないようだ。
ぼくは、
ときどき録画に失敗しながらも、
ここまで見続けてきた。
今、
主人公の壱岐正はイランでの油田開発に取り組んでいるのだが、
想像以上に難航していて、
日本石油公社からの資金調達が断たれてしまう。
そこで遂に彼は企業倫理の一線を超える。
自らの信念で進めてきた事業を、
あくまで推進するか撤退するか。
正念場で壱岐は推進に賭けた。
成否の見通しのない事に挑戦する者はいずれも、
同様のジレンマに陥ることがあると思う。
この先成功の確証はなく、
さりとてこれまでの苦労を考えると、
どうしても引き下がれない。
そんな時頼れるものは、
結局自分の覚悟しかないのだろう。
駄目ならこの身さえ差し出す覚悟。
たとえ犯罪者になろうとも後悔しない信念。
人生にはそういう正念場が何回かある
地位や名誉や、
なかんずく金銭などに執着するのではなく、
保身に走らず、
ただ自分の信念を貫く人を、
法的に罰することはできても、
人間として一体だれが指弾できるだろう。
来週が最終回らしい。
エコだとかスローライフだとか、
昨今の生き方ブームとは真反対の、
誠に骨太な作品に仕上がっていると思う。
それが敬遠されているのかもしれない。
でも、
決して時代遅れの昔話とは思えない。
重い過去を背負った、
一人の男の生きざまは見事だ。
ラストのトム・ウェイツの歌唱が、
これまた秀逸なんだな。
●こんな時間になってしまったが、天気も良いそうなので、元町に行ってみようと思う。
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