2010年3月5日金曜日

骨太

フジテレビ系の「不毛地帯」は、
視聴率10%台をうろうろしていて、
決して評判がよいとはいえないようだ。

ぼくは、
ときどき録画に失敗しながらも、
ここまで見続けてきた。


今、
主人公の壱岐正はイランでの油田開発に取り組んでいるのだが、
想像以上に難航していて、
日本石油公社からの資金調達が断たれてしまう。

そこで遂に彼は企業倫理の一線を超える。

自らの信念で進めてきた事業を、
あくまで推進するか撤退するか。

正念場で壱岐は推進に賭けた。


成否の見通しのない事に挑戦する者はいずれも、
同様のジレンマに陥ることがあると思う。

この先成功の確証はなく、
さりとてこれまでの苦労を考えると、
どうしても引き下がれない。

そんな時頼れるものは、
結局自分の覚悟しかないのだろう。

駄目ならこの身さえ差し出す覚悟。

たとえ犯罪者になろうとも後悔しない信念。


人生にはそういう正念場が何回かある

地位や名誉や、
なかんずく金銭などに執着するのではなく、
保身に走らず、
ただ自分の信念を貫く人を、
法的に罰することはできても、
人間として一体だれが指弾できるだろう。

来週が最終回らしい。

エコだとかスローライフだとか、
昨今の生き方ブームとは真反対の、
誠に骨太な作品に仕上がっていると思う。

それが敬遠されているのかもしれない。
でも、
決して時代遅れの昔話とは思えない。

重い過去を背負った、
一人の男の生きざまは見事だ。

ラストのトム・ウェイツの歌唱が、
これまた秀逸なんだな。


●こんな時間になってしまったが、天気も良いそうなので、元町に行ってみようと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...