「知恵を絞る」と言うは容易いが、
普通の人間が普通の思考をしていたのでは、
十人並みの結論しかでない。
「ワンランク上の問題解決の技術《実践編》」
(横田尚哉著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
という本は、
改善したい事物を「機能」という観点から徹底的に分解し、
その費用対効果を見直すという、
「VE(ヴァリュー・エンジニアリング)」という手法を紹介した本だ。
先日の「情熱大陸」で著者が取り上げられていて、
建設コンサルタントだる著者が全国の自治体で、
この10年間に総額1兆円の公共事業の見直しに携わり、
合計2000億円の削減に成功したという実績に興味を持ち、
Amazonで即買いして即読んだ。
200ページ余りがほんの2日足らずで読めたのだから、
書いてある内容は非常に簡明だった。
でも実践するとなると、、、
相当に難しい。
例えば、
本の後半に出てくる照明スタンドの機能分解。
第一段階として著者は、
①光を出す
②光を集める
③部品を固定する
④移動を容易にする
⑤雰囲気を和らげる
⑥転倒を防ぐ
⑦リサイクルを可能にする
と7項目をサラリと示して見せる。
ぼくなら①しか思いつかないな。
もう一度書くけど、
これで第一段階だ。
ここからさらに各項目をさらに分解して、
徹底的に機能をバラバラにしてしまう。
それでも、
料理で言えばまだ仕込み段階であって、
その分解した機能から原案の費用対効果を割り出し、
その数値を上げていくという作業に入るのだ。
いやはや。
この本には、
確かに知恵の絞り方が書いてあるけど、
実際に絞るのは個人の努力なんだな。
でもそれが出来ないから、
全国の自治体が著者のような人に頼るのだ。
著者はきっと、
「決してあなた自身では出来ませんよ」と本音では思っているだろう。
1700円の本を2日で読んだ費用対効果は、
まぁそういうことが分かったということだ。
とはいえ、
この本をヒントに、
ぼくをワンランク上に「改善」するため、
自分自身を機能に分解してみようか。
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