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キャリーバッグ1つころがしながら、
町並みを歩く初老の女性。
一見旅行者かと思いきや、
彼女は「無一文」で暮らしているという。
しかも14年も。
かといって、
ホームレスというわけではない。
仕事はあるし、
野宿をしているわけでもない。
ってどういう事?
キーワードは「交換」である。
ドイツ人女性のシュヴェルマーさん(67)は、
元教師の心理療法士で、
セラピーや他人の家の留守番やら病人の介護といった、
様々なサービスを提供して、
その代わりその家で寝泊りしたり、
食事をしたりしているという。
つまり日替わりの居候のようなものだ。
この方法で、
移動の交通費以外の現金は不必要になったのだという。
年金でさえ、
大半は寄付してしまうそうだ。
元々1年限りの実験生活のつもりが、
すっかり気に入ってしまったという。
著書「お金なしで生きる」(アーティストハウスパブリッシャーズ)に詳しいらしいが、
ぼくはまだ読んでいない。
日本で、
いわんやぼくがこんな生活をすることが可能だろうか?
いや問題の立て方がおかしい。
「物欲」さえ捨てれば出来るのだ。
彼女が実証しているのはそういうことだ。
そういえば先日の朝日新聞に、
ツイッターを利用して日本一周無銭旅行をする女子大生の話が出ていた。
こういう話で心が軽くなる気がするのは、
ぼくの心が相当に物欲を溜め込んでいるからだろう。
●本は現在絶版の様子。同名の映画があるらしい●映画といえば、「ハート・ロッカー」アカデミー賞には驚いた。
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