2010年3月27日土曜日

想起

「古畑任三郎」や「刑事コロンボ」の再放送を見ていて、
ラストの謎解きが思いだせないことがある。

しかもしばしば。

状況設定や犯人役の俳優はよく覚えているから、
以前に見たことがあるのは間違いないのに、
結末だけがスッポリと記憶から抜け落ちている。

見続けて半ばになってもまだ分からない。

結局最後まで見て、
初めての時と同じように驚くことさえある。

頭悪すぎ?

よくできた推理モノっていうのは、
そんなものかもしれないって納得しているのだけど、、、


さて。

ちょっとした事情から昨夜、
若いころの写真を探した。

本当に久し振りに「再会」した自分を見て、
胸にズキンとくるものがあった。

全体に緑色に変色したその写真には、
大学1年生のぼくがTシャツ一枚でこちらを見ている。

ぼくの視線の先には、
カメラを構えた親父がいた。

ちょうど今のぼくと同じぐらいの年齢の、
今は亡き親父。

場所は東京・下落合にある親父が勤めていた会社の寮だ。


その夜ぼくは親父に、
「オレは親父の手のひらの上で自由な孫悟空だ」
と言った。

次の日は、
開園して間もない東京ディズニーランドに二人で行った。


あれから四半世紀余りの時がたち、
写真のぼくの視線の先には中年のぼくがいる。

思わず鏡を見た。

その二人の自分の経年変化に、
しばし呆然とした。



呆然といえば、
映画「2012」を借りた。

あのスペクタクルをもう一度見たいと思ったのと、
母親にも見せてやろうと考えたのだ。

DVDを再生して30分ほどして、
ぼくは風呂に入った。

中抜けしても一度見てるし。

上がってくると、
母が「これ、あんたと見たヤツや」と言った。





ヤバすぎる。

見たことを途中まで忘れていた母も母だが、
一緒に見たことを忘れていたぼくもぼくだ。

母が思い出さなければ、
きっとぼくも気付かなかったろう。


「母子同時ボケ」


そんな事態が頭をよぎった。


●ペンギンさんに約束の本をお貸しした●セ・リーグ開幕。

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