2010年3月20日土曜日

印刷

夕方帰宅すると、
月刊「Forsight」が届いていた。

「創刊20周年記念号」と表紙に書かれているが、
これが最終号とは皮肉である。


雑誌としてはこれで終わりだけど、
どうやら夏からウェブ版がスタートするようだ。

まったく無くなってしまうよりはマシだけど、
やはり雑誌という形式が消えるのは残念だ。


雑誌もウェブも、
活字媒体という意味では同じかもしれないが、
印刷物か電子画面であるかということは、
実は非常に大きな違いがる。

それは、
印刷物は上書きが出来ないという点である。


一度流通してしまった印刷物は、
間違いがあっても消してしまうことができない。
訂正するには、
改めて印刷物を出すしかない。

もし重大な間違いがあれば、
出版者の信用は著しく低下するし、
場合によっては存亡にすらかかわってくる。

だから出版という行為は、
その形式自体が人を慎重にさせるし、
まともな出版者は出版までに、
何重にもわたってクロスチェックする。

読者の信頼は、
その上に成り立っている。


だからウェブ版で、
印刷物の時と同じような慎重さを保つことは、
不可能だ。

訂正したければいつでも上書きできる。

ページごと削除することだって可能だ。

いくら編集者が正直であろうと、
そういう訂正や取り消しが可能だというその時点で、
ウェブ版の信頼度は、
あらかじめ印刷媒体より低いのである。

そう考えた時、
印刷物がなくなる世とは、
いかに怖いかがわかる。

●現にこのブログだって、こそっと直した表現がいくつもある●初代S-1グランプリにNONSTYLE。面白かったけど、1億円は明らかにやりすぎ●一年ぶりに明治屋でマシュマロを買った。

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