2010年3月14日日曜日

素麺

ぼくは料理ができない。

大学生の時から10年間の独身時代も、
その後の都合10年ほどの結婚時代も、
自炊とは無縁で通した。

独身時代は外食か、
せいぜい惣菜を買ってきて、
済ませ、
結婚時代は奥さん頼り。

もうそれだけで、
イマドキの基準でいけば、
博物館行きの結婚不適格者かもしれないけど。


そんなぼくではあるが、
唯一得意料理だと思っているのが、
「素麺」だ。

鍋いっぱいに煮立った湯の中に、
素麺の束を円を描くように入れ、
「びっくり水」も忘れず、
茹で具合を確かめて火から降ろし、
冷水で一気に冷やしながら、
表面の油分を流し落とす。


一番肝心なのは茹で加減なのだが、
その秘訣は「勘」である。

それ以外にない。

ぼくはその時ばかりは素麺の気持ちになれる。

食べる時にもこだわる。

氷は冷蔵庫の氷はNG。
是非ともコンビニ氷といきたいものだ。

でも、
つゆは市販ので十分だ。


こんなこと書いているのは、
今朝テレビで素麺についての特集を見たからだ。

素麺の原型は何と奈良時代からあったそうで、
そのことは「麦縄」と言ったという。

素麺があんなに細いのは、
乾燥させて保存食にするためだったという。

機械化された今でさえ結構大変な工程を、
当時の人たちが手仕事でやっていたことに驚かされる。

そんあに手間暇かけて作った素麺でも、
食べる時はほんの数分。

でも、
あの食感は好きだなぁ。


最近は素麺さえ自分で作ることはなく、
完全に母に頼りっきりだ。

お陰で栄養状態は申し分ないけど、
料理は結局出来ぬままアラフィフになりそうだ。

いつか「男の一人料理教室」なんかに、
通う羽目になるのだろうか?

いやきっと、
とことん自炊とは無縁で通すだろう。

●でも外食で素麺は食べない。素麺はぼくにとっては、家で食べるものだ●そりゃ本を片手に料理を作ったことはありますよ。美味しかったですよ。でも面倒なんだよ。とにかく。

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