
マーブル模様のスーパーボール。
幼稚園のころだったか。
近所のおもちゃ屋に売ってたこれが、
欲しくて欲しくて、
でも小遣いはなくて、
ついに万引きした。
店にはバレなかったけど、
やましさから家に持って帰ることもできず、
帰り途の用水路に捨てた。
その様子を、
一本道のはるか遠くで、
井戸端会議中だった母が見ていた。
その時点で、
具体的なことは分からなかったはずだが、
母は何かを察知したのだろう。
問い詰められたぼくはすべてを白状した。
母は即座に会社の父に電話。
帰宅した父は鬼のような形相で、
ぼくの尻を思いっきり叩き、
庭の木に縛り付け、
「蚊に食われて死んでしまえ」と言った。
幼いぼくが震え上がったのは当然のこと。
しばらくして母がひもをほどき、
家に入れてくれたものの、
あの時の衝撃は今でも強烈だ。
不始末や悪行を、
子どもは隠しても、
親は知っている。
いや知らなくても、
何か感じるのである。
辛いこと、
苦しいこと、
恥ずかしいこと、、、
親に言わずに済ませていることも、
いつかは親にはばれる。
たとえ生きている時は隠し通せても、
死ねばすべてばれる。
それが肉親というものだ。
ぼくがここ数年受けてきた様々な報いも、
つまりは、
すべて今は亡き親父に、
あの時と同じように、
尻を叩かれているということなのだ。
●泣いても叫んでもあと1日。当日は笑いますけどね。