2010年7月31日土曜日

肉親





マーブル模様のスーパーボール。

幼稚園のころだったか。
近所のおもちゃ屋に売ってたこれが、
欲しくて欲しくて、
でも小遣いはなくて、
ついに万引きした。

店にはバレなかったけど、
やましさから家に持って帰ることもできず、
帰り途の用水路に捨てた。

その様子を、
一本道のはるか遠くで、
井戸端会議中だった母が見ていた。

その時点で、
具体的なことは分からなかったはずだが、
母は何かを察知したのだろう。
問い詰められたぼくはすべてを白状した。

母は即座に会社の父に電話。
帰宅した父は鬼のような形相で、
ぼくの尻を思いっきり叩き、
庭の木に縛り付け、
「蚊に食われて死んでしまえ」と言った。

幼いぼくが震え上がったのは当然のこと。

しばらくして母がひもをほどき、
家に入れてくれたものの、
あの時の衝撃は今でも強烈だ。


不始末や悪行を、
子どもは隠しても、
親は知っている。

いや知らなくても、
何か感じるのである。

辛いこと、
苦しいこと、
恥ずかしいこと、、、

親に言わずに済ませていることも、
いつかは親にはばれる。

たとえ生きている時は隠し通せても、
死ねばすべてばれる。
それが肉親というものだ。


ぼくがここ数年受けてきた様々な報いも、
つまりは、
すべて今は亡き親父に、
あの時と同じように、
尻を叩かれているということなのだ。

●泣いても叫んでもあと1日。当日は笑いますけどね。

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