「大局観」(羽生善治著)で引っ掛かる部分があったので、
もう一度読んでみた。
たくさんの可能性のなかから一つを選択する方が、少ない可能性から一つを選択するより後悔しやすい。(中略)なぜなら、判断するための材料がたくさんあると、それだけ迷いや恐れの生じる可能性が高くなるからだ。
「さすが名人」と言いたいところだが、
残念ながら、
ぼくにはピンとこない。
たとえば仕事を例にとると、
経験を積んで選択肢がいっぱいある状態は、
いわゆる「引き出し」が増えるということで、
悪いことではない。
逆に引き出しが少なかったころの方が、
どう対処していいやらわからず、
怖かった。
別の観点からいえば、
10個の選択肢で迷う人は、
選択肢が2個でも、
やっぱり迷うんじゃないか。
レストランで注文に迷う人は、
喫茶店でも迷う。
よく考えてみればぼくは、
これまでの人生で、
夜も寝れぬほど悩んだことはないような、、、
といってもそれは、
決断力があったのではなく、
迷うべき選択肢がなかったというべきか。
大学は1浪しても1校しか合格しなかったし、
就職も、
今の会社しか合格しなかった。
結婚した二人にしても、
その時は「この人しかいない」と、
一点の曇りもなく信じていた(結局いずれも違ったのだが、、、)。
迷う余地のない道を歩んだ結果、
名人のような深謀遠慮が身に付くことはなく、
勢いだけで人生ここまで来てしまった。
そんなぼくでも今言えるのは、
「仕事でも人生でも、恐れを知ってから真価を問われる」
ということだ。
「危ない橋」を渡れる勇気を持ち続けられるかだ。
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