2011年5月15日日曜日

紹介

同期で上司の女性が、
ぼくが「良かった」と紹介した映画「悪人」を、
DVDで観たという。

いいね。

自分が薦めたものに興味を持ち、
実際に見たり読んだりしてくれるって、
とってもうれしいものだ。

「良かった。でも小説の方がもっと良かった」と彼女。

それはちょっと残念だったけど。。。

そういえば、
ペンギンさんが先日、
「輝ける闇」(開高健著、新潮文庫)を読んでくれた。

この小説のことは、
きっと以前にも書いたと思うけど、
新しい読者さんもおられるので、
再度取り上げよう。

これはベトナム戦争に、
米軍の従軍記者として同行した著者が、
実体験を元に描いた傑作。

1968年上梓だから、
もう40年以上前の作品だけど、
ちっとも文章が古びていない。

それどころか、
戦争というものの実相描写は、
ようやく最近の映画が追いついてきたぐらい、
圧倒的な質量で迫ってくる。

しかし、
あえて今日は戦闘場面ではなく、
ペンギンさんも印象に残ったという次の一節を紹介したい。

徹底的に正真正銘のものに向けて私は体をたてたい。私は自身に形をあたえたい。私はたたかわない。殺さない。助けない。耕さない。運ばない。煽動しない。策略をたてない。誰の味方もしない。ただ見るだけだ。わなわなふるえ、眼を輝かせ、犬のように死ぬ。

ぼくが初めて読んだのは19歳の時だった。

この1冊こそが、
ぼくのその後の人生を決定的に変えた。

でもぼくはまだ、
自身にしかるべき形をあたえることができていない。

●次はぼくが小説「悪人」を読もうと思う●mypodの調子が直らない。うーむ。難問。

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