同期で上司の女性が、
ぼくが「良かった」と紹介した映画「悪人」を、
DVDで観たという。
いいね。
自分が薦めたものに興味を持ち、
実際に見たり読んだりしてくれるって、
とってもうれしいものだ。
「良かった。でも小説の方がもっと良かった」と彼女。
それはちょっと残念だったけど。。。
そういえば、
ペンギンさんが先日、
「輝ける闇」(開高健著、新潮文庫)を読んでくれた。
この小説のことは、
きっと以前にも書いたと思うけど、
新しい読者さんもおられるので、
再度取り上げよう。
これはベトナム戦争に、
米軍の従軍記者として同行した著者が、
実体験を元に描いた傑作。
1968年上梓だから、
もう40年以上前の作品だけど、
ちっとも文章が古びていない。
それどころか、
戦争というものの実相描写は、
ようやく最近の映画が追いついてきたぐらい、
圧倒的な質量で迫ってくる。
しかし、
あえて今日は戦闘場面ではなく、
ペンギンさんも印象に残ったという次の一節を紹介したい。
徹底的に正真正銘のものに向けて私は体をたてたい。私は自身に形をあたえたい。私はたたかわない。殺さない。助けない。耕さない。運ばない。煽動しない。策略をたてない。誰の味方もしない。ただ見るだけだ。わなわなふるえ、眼を輝かせ、犬のように死ぬ。
ぼくが初めて読んだのは19歳の時だった。
この1冊こそが、
ぼくのその後の人生を決定的に変えた。
でもぼくはまだ、
自身にしかるべき形をあたえることができていない。
●次はぼくが小説「悪人」を読もうと思う●mypodの調子が直らない。うーむ。難問。
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