2011年7月29日金曜日

高座

きょう高座に座った。

ざっくり4年ぶりだ。

もちろん、
この日のために用意した、
あの落語扇を持って。

一度は完全に諦めたその場所に座れることが、
2週間ほど前に思いがけず決まり、
そして当日を迎え、
もっと感慨があるものかと想像していたが、
別にフツーに仕事をし終え帰宅した。

自分でも意外なほどの冷静さを分析してみて、
ひとつ気づいたことがある。

仕事に関して、
ぼくの背中には、
いつのまにか羽が生えていたのだ。

かつてのぼくは、
必死の思いでその場所に登りつめたのだが、
その代償として酒で心身を崩壊させ、
会社での地位も信用も、
微々たる財産も、
何もかも失った。

人間としてゼロ、
いやそれ以下まで落ち、
アルバイトでも出来るような仕事しかさせてもらえなくなり、
それでも一日たりとも休むことなく、
ただ働き、
歌い、
途中からは毎日ブログを書き、
人の話を聞き
本を読み、
映画を観て、、、

そんな日々を4年間繰り返しているうちに、
ぼくは仕事に対して無慾になった。

そんな中、
震災は起きた。

前にも書いたように、
その直後にマイベストと断言できる仕事をし、
もう、
それで十分だった。

でも不思議なもので、
そう思ったころから身軽になった。

きっとあの頃から羽が生え出したのだと思う。

だから今回は再び登りつめたのではなく、
全く別の場所から舞い降りたのだ。

逆に言えば、
これまで何度もとん挫した高座復帰がかなったのは、
ぼくに羽が生えたことに、
だれかが気づいたからかもしれない。

これからまた当分、
いつもの仕事に戻るのだけど、
この羽をさらに強靭にして、
もっと高く、
もっと遠くに飛ぶだけだ。

この4年間、
ぼくに関わってくれたすべての人に感謝します。

●歌の羽も生えないかなぁ(笑)●業務連絡。金曜日に元町に参上します。

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