きょう高座に座った。
ざっくり4年ぶりだ。
もちろん、
この日のために用意した、
あの落語扇を持って。
一度は完全に諦めたその場所に座れることが、
2週間ほど前に思いがけず決まり、
そして当日を迎え、
もっと感慨があるものかと想像していたが、
別にフツーに仕事をし終え帰宅した。
自分でも意外なほどの冷静さを分析してみて、
ひとつ気づいたことがある。
仕事に関して、
ぼくの背中には、
いつのまにか羽が生えていたのだ。
かつてのぼくは、
必死の思いでその場所に登りつめたのだが、
その代償として酒で心身を崩壊させ、
会社での地位も信用も、
微々たる財産も、
何もかも失った。
人間としてゼロ、
いやそれ以下まで落ち、
アルバイトでも出来るような仕事しかさせてもらえなくなり、
それでも一日たりとも休むことなく、
ただ働き、
歌い、
途中からは毎日ブログを書き、
人の話を聞き
本を読み、
映画を観て、、、
そんな日々を4年間繰り返しているうちに、
ぼくは仕事に対して無慾になった。
そんな中、
震災は起きた。
前にも書いたように、
その直後にマイベストと断言できる仕事をし、
もう、
それで十分だった。
でも不思議なもので、
そう思ったころから身軽になった。
きっとあの頃から羽が生え出したのだと思う。
だから今回は再び登りつめたのではなく、
全く別の場所から舞い降りたのだ。
逆に言えば、
これまで何度もとん挫した高座復帰がかなったのは、
ぼくに羽が生えたことに、
だれかが気づいたからかもしれない。
これからまた当分、
いつもの仕事に戻るのだけど、
この羽をさらに強靭にして、
もっと高く、
もっと遠くに飛ぶだけだ。
この4年間、
ぼくに関わってくれたすべての人に感謝します。
●歌の羽も生えないかなぁ(笑)●業務連絡。金曜日に元町に参上します。
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