2011年12月20日火曜日

校閲

最近は女性作家が元気で、
それはとてもいいことで、
女性の心理描写なんかは感心させられる。

「すべて真夜中の恋人たち」(川上未映子著、講談社)読了。

芥川賞作家であり、
とても有名な著者だけど、
ぼくは初めて。

タイトル買いではあったけど、
著者2年ぶりの長編小説ということで、
かなり期待して読んだけど、
残念な結果だった。

すごく癖のある文章を書く人という、
先入観とは裏腹に、
文章はスムースで美しく、
非常に読みやすかった。

30歳代のフリー校閲者という、
一風変わった職業の女性が主人公で、
彼女の恋愛を描いている。

別にあら探しをするつもりはないけれど、
「三束」という男性の名を、
主人公が「さんたばさん?」と読む下り、
プロの校閲がいくらなんでもそりゃないよな、
と思った。

せめて「みつか」ならわかるのだけど。

それはともかく、
この本によると、
大抵の本には必ず数カ所は誤植があるのだとか。

そういえば昔、
毎日新聞を数時間かけて、
隅から隅まで読んでいた時期がぼくにはあって、
その時の経験では、
新聞にだって、
ぼくでさえ気づく間違いが毎日数カ所はあった。

もちろん新聞社は間違いのないよう、
何人ものクロスチェックをかけるのだが、
それでも必ず間違いがある。

そういえば、
天下の広辞苑でさえ、
決定的な間違いが長年見過ごされていたと、
以前ニュースになったっけ。

ことほどさように、
人間は間違える。

間違いがなければ奇跡といっていいぐらいで、
ほとんどの間違いは見過ごされているだけだ。

断言していい。

そういう意味で、
「さんたば」っていうのは間違いではないけれど、
ぼくには軽視できない欠点に思えた。

●ほかにも、決定的な脱字があることを知った。わざとか?●正日急死。アナウンサーのあのおばさん、それで最近出てこなかったのかと合点。

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