最近は女性作家が元気で、
それはとてもいいことで、
女性の心理描写なんかは感心させられる。
「すべて真夜中の恋人たち」(川上未映子著、講談社)読了。
芥川賞作家であり、
とても有名な著者だけど、
ぼくは初めて。
タイトル買いではあったけど、
著者2年ぶりの長編小説ということで、
かなり期待して読んだけど、
残念な結果だった。
すごく癖のある文章を書く人という、
先入観とは裏腹に、
文章はスムースで美しく、
非常に読みやすかった。
30歳代のフリー校閲者という、
一風変わった職業の女性が主人公で、
彼女の恋愛を描いている。
別にあら探しをするつもりはないけれど、
「三束」という男性の名を、
主人公が「さんたばさん?」と読む下り、
プロの校閲がいくらなんでもそりゃないよな、
と思った。
せめて「みつか」ならわかるのだけど。
それはともかく、
この本によると、
大抵の本には必ず数カ所は誤植があるのだとか。
そういえば昔、
毎日新聞を数時間かけて、
隅から隅まで読んでいた時期がぼくにはあって、
その時の経験では、
新聞にだって、
ぼくでさえ気づく間違いが毎日数カ所はあった。
もちろん新聞社は間違いのないよう、
何人ものクロスチェックをかけるのだが、
それでも必ず間違いがある。
そういえば、
天下の広辞苑でさえ、
決定的な間違いが長年見過ごされていたと、
以前ニュースになったっけ。
ことほどさように、
人間は間違える。
間違いがなければ奇跡といっていいぐらいで、
ほとんどの間違いは見過ごされているだけだ。
断言していい。
そういう意味で、
「さんたば」っていうのは間違いではないけれど、
ぼくには軽視できない欠点に思えた。
●ほかにも、決定的な脱字があることを知った。わざとか?●正日急死。アナウンサーのあのおばさん、それで最近出てこなかったのかと合点。
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