2012年1月11日水曜日

対話

本年初めて元町に生き(笑)、
いろいと対話していたら、
昨年末からたまっていたモヤモヤが、
少し晴れた気がした。

今のぼくにとって、
一番「素」が出せる対話タイム。

そういう意味では、
「行く」を「生く」と誤字ったのも、
あながち間違いじゃないかもね。

さて。

2012年最初に紹介する本は、
「勝ち続ける力」(新潮文庫)。

名人羽生善治と翻訳者の対談だ。

古今、
将棋の強い人は何人もいるのだけれど、
なぜ羽生の言葉はこれほど面白いのか、
いつも不思議に思う。

いわゆる「ミスター」のような、
天才語を使うわけではなく、
非常に分かりやすい語りでありながら、
内容は非常に現代的というか、
将棋の範疇にどどまらない広がりがある。

話題はもっぱら将棋のことなんだけど、
人間の頭脳の可能性みたいな点においては、
非常に普遍的なことを言っている。

「実戦じゃないとわからないことがある」なんて、
天才・羽生でもやっぱりそんなもんなのかと、
ひどく共感する。

実戦の集中力の中でしか得られないというか、
発揮されない能力というのは、
絶対にあって、
それは、
いくら研究や練習しても得られない。

もちろん、
外野で見ている方が正しい見方をしている場合もある。
でもそれはやっぱり外野の意見であって、
勝負している二人にとっては、
そういう正しさは意味がないのである。

将棋には棋譜というものがあるけど、
あそこに記されているのは、
結果として指された手の記録にすぎず、
その向うには、
頭の中で検討されたけど、
実際には指されなかった無数の手が潜んでいる。

現実に起こった出来事よりも、
起こる可能性はあったが起こらなかった事の中にこそ、
起こった現実の真実が見いだせる、
みたいな倒錯した言い方が、
当てはまるように思うのである。

言い換えれば、
何が起きたかより、
何が起こらなかったかの方が重要みたいな。

一言で言えば「行間を読め」と。

対話にせよ対談にせよ対局にせよ、
人と人が交流するところに、
本当の知恵が生まれるといったところか?

頭こんがらがってきました。

早起きしたからでしょう(笑)

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