本年初めて元町に生き(笑)、
いろいと対話していたら、
昨年末からたまっていたモヤモヤが、
少し晴れた気がした。
今のぼくにとって、
一番「素」が出せる対話タイム。
そういう意味では、
「行く」を「生く」と誤字ったのも、
あながち間違いじゃないかもね。
さて。
2012年最初に紹介する本は、
「勝ち続ける力」(新潮文庫)。
名人羽生善治と翻訳者の対談だ。
古今、
将棋の強い人は何人もいるのだけれど、
なぜ羽生の言葉はこれほど面白いのか、
いつも不思議に思う。
いわゆる「ミスター」のような、
天才語を使うわけではなく、
非常に分かりやすい語りでありながら、
内容は非常に現代的というか、
将棋の範疇にどどまらない広がりがある。
話題はもっぱら将棋のことなんだけど、
人間の頭脳の可能性みたいな点においては、
非常に普遍的なことを言っている。
「実戦じゃないとわからないことがある」なんて、
天才・羽生でもやっぱりそんなもんなのかと、
ひどく共感する。
実戦の集中力の中でしか得られないというか、
発揮されない能力というのは、
絶対にあって、
それは、
いくら研究や練習しても得られない。
もちろん、
外野で見ている方が正しい見方をしている場合もある。
でもそれはやっぱり外野の意見であって、
勝負している二人にとっては、
そういう正しさは意味がないのである。
将棋には棋譜というものがあるけど、
あそこに記されているのは、
結果として指された手の記録にすぎず、
その向うには、
頭の中で検討されたけど、
実際には指されなかった無数の手が潜んでいる。
現実に起こった出来事よりも、
起こる可能性はあったが起こらなかった事の中にこそ、
起こった現実の真実が見いだせる、
みたいな倒錯した言い方が、
当てはまるように思うのである。
言い換えれば、
何が起きたかより、
何が起こらなかったかの方が重要みたいな。
一言で言えば「行間を読め」と。
対話にせよ対談にせよ対局にせよ、
人と人が交流するところに、
本当の知恵が生まれるといったところか?
頭こんがらがってきました。
早起きしたからでしょう(笑)
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