2013年10月29日火曜日

心理

山田風太郎という作家の名前を初めて聞いたのは、
大学生の時だった。

教室で知り合った女学生から、
好きな作家はだれかと聞かれ、

ぼくは「開高健」

と答え、

その時彼女は「山田風太郎」と答えたのだ。

ぼくはその時、
全く名前を知らず、
「ふーん」と言ったか言わなかったか、
そんな程度の反応だったと思う。

それからも、
ずっとこの山田風太郎という名前は、
気にはなっていたけれど、
ついにあれから30年、
一冊も読む事はなかった。

それが、
ひょんなことから手にした「太陽黒点」。

これには驚愕した。

恐るべき洞察力というか、
人間心理の描き方が尋常じゃない。

若者の心理。

中年男の心理。

戦中派の心理。

戦後派の心理。

昭和30年代の東京の、
社会の雰囲気というものが、
手に取るように伝わってくる。

考えてみれば、
この本を20歳そこそこで読んでも、
あんまり感心しなかったかもしれない。

今の年齢になったからこそ理解できる、
恐ろしさというか、
おぞましさというか。

ちなみに刊行されたのは、
ぼくが生まれる前年。

角川文庫629円。

購入はこちらから(笑)こちらから(笑)

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...