広島カープの前田智徳選手が引退した。
この人、
とにかく枕詞に「天才」がつく。
なにしろ、
イチローと落合博満の二人が、
声をそろえて「天才」と太鼓判を押しているのだ。
天才二人が「天才」と呼ぶのだから、
大天才なんだろうけど、
凡人のぼくには、
一体前田のどこがそこまで天才なのか、
さっぱりわからない。
たとえば、
前田は24年の現役中、
主たる打撃のタイトルをひとつも取っていない。
前田のバッディング技術について、
さまざまな解説があるけれど、
それがすべて事実だとしても、
なら、
なんで4割打つとか、
ホームラン70本とかできないの?
と思ってしまう。
「悲運の天才」などという言い方がある。
確かに前田も故障が多く、
実力を発揮できなかったという面は多いんだろう。
でも、
というか、
だからこそ、
イチロー落合ほどの人が、
手放しで「天才」と絶賛する理由がわからない。
たぶん、
前田のことを「天才」と呼ぶ多くの人は、
前田の天才性を本当には理解していないのではないか?
なんとなく、
あの二人が天才というのだから、
天才なんだよ、
みたいな感じになってないか?
もちろん、
ぼくもその一人。
で、
実際に天才なんだと思う。
ただそれは、
天才に見える天才。
天才と呼ばれる二人が、
すごい努力して出来たことが、
あるいは出来ないことを、
前田はやすやすと出来る。
そういうことなのではないか?
いやだから。
前田は「天才」なんだろうけど、
『』抜きで自分の言葉で天才と呼ぶのは、
少しためらわれる。
それだけのことなんだけど。
長々しく、
かつ分かりにくくなっちゃった。